弊法人メールマガジン「ソーシャルワークタイムズ」にて連載中のmikoさんによる「同じ空の下」の過去記事を掲載いたします。ご自身も難病を抱えながらソーシャルワーク実践の現場に立つ日々を、学生時代のエピソードから今に至るまで、語っていただいています。今後随時、掲載していく予定ですのでお楽しみに!最新号を読みたい方はぜひ、ソーシャルワークタイムズ購読をお願いします。
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こんにちは、mikoです。
今日は先日都内で開催された「難病患者就労支援シンポジウム」についてお話します。
このシンポジウムでは、東京都難病・相談支援センター、東京労働局、難病患者就職サポーター、東京都産業労働局、難病当事者からの報告がありました。その中から印象に残った話をいくつか紹介します。
東京都難病・相談支援センターは就労支援以外にも療養相談、医療相談等幅広い事業を展開しています。その中でも就労相談は年々件数が増えてきているそうです。
また東京労働局の方によると、ハローワークでの新規求職者数の内、難病患者(障害者手帳未所持)の占める割合は年々増えており、その後就職した方も同様に増えているそうです。さらに「発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金」という制度の紹介がありました。これはハローワーク等の
紹介で発達障害者・難治性疾患患者を雇用した事業主に対し助成金が出る制度です。
そして難病患者就職サポーター。現在東京都ではハローワーク渋谷に1名配置されており、難病患者専門の就労支援をしてくれます。
他機関との連携、応募書類の記載・面接対策、面接や見学の同行、事業主への働きかけ等を行っているそうです。また月1回、東京都難病・相談支援センターにて出張相談会を実施しています。
この難病患者就職サポーターは全国に15名いるとのこと。全都道府県に配置されていません。また継続支援が多いため、新規相談予約が取りづらい状況だそうです。まずは各都道府県に一人配置、その後配置人数増となってほしいです。
このシンポジウムでの、東京難病団体連絡協議会の副理事長さんの言葉がとても印象に残りました。
「このシンポジウムを始めたH19年、障害者手帳を持つ人への就労支援はあったが、手帳のない難病患者への支援は何もない状況だった。それが年々状況が変わり、今年度は難病患者就職サポーターの配置となった。これはとても大きな一歩だ」と。
私もそう思います。今回のシンポジウムの題名は「障害者手帳を持たない難病者のための就労ネットワーク構築を目指して」。
つながりがあることは大きな支えとなりますし、参加者の皆さんの中にも同じ様に感じた方はいたのではないか、と思います。
難病があっても、病状が安定していたり配慮があれば働ける方はたくさんいると思いますし、実際そういう患者さんが増えているのでしょう。
今後、難病患者への就労支援の輪が更に大きくなることを期待します。
このシンポジウムは毎年開催されているそうなので、また来年も参加したいです。
参考
東京都難病相談・支援センター
http://www.tokyo-nanbyou-shien-yi.jp/
ハローワーク渋谷
http://tokyo-hellowork.jsite.mhlw.go.jp/list/shibuya.html
東京労働局
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/
ソーシャルワーク・タイムズ vol13 2014.3.2より転載
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こんにちは、mikoです!
私事ですが、先日パソコンがピンチ状態に陥ってしまいました。Cドライブが容量不足で、ついに表示された空き容量が…「32MB」…
え?32MB?何これ化石??
見間違いじゃないと思うんですけどね…写真撮っておけば良かった。とりあえずピンチは脱しました…
そんな化石化寸前のパソコンからこのメルマガは生まれています!皆さま今後ともよろしくお願いします(早く対策しろ!)!
さて今回はちょっと原点に戻り…
なぜ私がこのメルマガを書こうと思ったのかについてお話します(それを書いてなかったと気付きまして)。
学生の時、持病と向き合っていた私に恩師がプレゼントしてくれた言葉があります。
「あなたの人生から学ぼうとする人達がいる」
私の人生から学ぶ。
その言葉の意味を考えながら、同時に自分の経験から何か出来ないのかと漠然と考えていました。
そんな中、私はSNSで、若い患者さん達が就職で悩んでいる姿を見ました。
また私は3年前に大腿骨の手術をしたのですが、その時に膠原病を持つ高校生と出会いました。
ベッド上で将来について不安を抱いている様子だった彼女に、私は知らず知らずの内に自分自身を重ね合わせていたのでしょう。
SNSで出会った患者さんや、入院中に出会った彼女は、私自身でした。
私はSNSで、自分がどのように働いているのか等をお話しました。
入院中の彼女には「私は中学生で発症したけど、大学に行って就職も出来た。だから大丈夫」と伝えました。
このような出来事があり、私は考えました。
難病があっても働くことは出来る。私が一例です。
将来に不安を抱く若い患者さん達に自分の姿を知ってもらい、希望を持ってほしいと思いました。また自分のような例を知ってもらうことで、世間での難病患者の就労への理解が少しでも深まればうれしいと思いました。
ではどうやって?と考えていた時に、このメルマガ執筆の機会を頂きました。迷っていた自分の背中を押してもらえたと思っています。
どの人の人生も学ぶべきものがある尊いものです。
もし私の人生から何か学んでもらえるのであれば、私は喜んで還していきたいと思います。
次回以降、私自身の病気のことや就労のこと等を綴っていこうと思います。
時々ソーシャルワークの話や難病関連の世間の動向の話も織り交ぜながら…
引き続きよろしくお願いします!
ソーシャルワーク・タイムズ vol15 2014.3.23より転載
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こんにちは、mikoです!
先日「ももいろクローバーZ」のライブに行ってきました!初めてだったので圧倒されましたが、とても楽しかったです!これでライブは今年2つ目。あと2つは行く予定があるので、今から楽しみです!
さて今回からは、私のこれまで~発病から現在まで~をお話したいと思います。
私は13歳でSLEになりました。微熱や顔の皮膚が赤くなる、手足が真っ白になる等の症状が出現し、なんだろう?と思ったものの、半年程そのままの状態でした。その後、学校の尿検査でタンパク尿が出て、再検査を待たずに受診。そのまま入院となりました。
入院は約1年に及びました。治療は大変なこともあったけど、患者さんやご家族、看護師さん、養護学校の先生…素敵な出会いに恵まれ、穏やかに過ごせました。そんな中ぼんやりと「小さい頃からこうなると思っていた、いわゆる‘普通’の人生は送れないかもしれない」とは思っていました。
「働く」ということに関しても、全くイメージ出来ませんでした(まあ、まだ中学生でしたしね)。
その後退院し、高校に進学しました。
そうそう、私がなぜソーシャルワーカーになりたいと思ったのかですが…
高校生の時、進路選択の時間があったんですね。私は入院の経験から看護師になりたい、と思っていました。しかし当時の担任に「体力的に厳しいのでは」と言われ、確かにきついかな~と悩んでいました(SLEで看護師をされている方もいらっしゃいます)。
そんな時に高校で配られた職業紹介の冊子をパラパラと見ていたところ「医療ソーシャルワーカー(MSW)」が紹介されていました。それを見て、自分は入院した時に親身に話を聞いてくれた看護師さんの姿に憧れていたのだな、と気付いたのです。自分も病気になった人にとってそういう存在になれないかな…MSWになりたい!と思ったのです。
その後、17歳でIONも発症しましたが、こちらは生活に大きな支障が出ることはなく、経過観察。無事に高校を卒業し、福祉系の大学に進学しました。
今日はここまで。次回へ続く~。
ソーシャルワーク・タイムズ vol16
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:ライター・プロフィール:
”miko”
病院でPSWをしています。
2つの難病を経験中。
働くこと、難病を取り巻く現状のこと、その他日々感じたこと等、ゆっくりですが綴っていきたいと思います。
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