2025年5月31日、昨年末のクラウドファンディングでご支援くださったみなさまを会場にお招きし、「社会保障ゲーム」正式版のお披露目・体験会を行いました。会場は定員いっぱいとなり、社会保障教育の必要性を共に考えてくださる方々と貴重な時間を過ごすことができました。クラウドファンディングでいただいたご寄付のおかげで、私たちは正式版250セットを無事に製作することができ、その成果を皆さまに直接ご覧いただけたことを心より感謝申し上げます。

本ゲームの原点は、代表理事・横山北斗が2022年に出版した『15歳からの社会保障』にあります。義務教育段階から社会保障を学ぶ意義を示す同書は、多くの読者に手に取っていただいた一方で、まとまった文章を読める層に届く範囲に限界があると感じていました。そこで、「中高生と一緒に取り組める教材」かつ「学校現場に持ち込める具体的なツール」をつくろうと考えたことが、ゲーム開発の出発点です。

開発にあたり、チームメンバーで知恵を出し合い、キャラクターが直面する困難をよりリアルに想像できるよう、プレイマットには「お金」「住まい」などのカテゴリーを設けました。また、アイテムカードの説明文は主体的な行動を後押しする能動態でまとめ、「〇〇ができる」という表現を一貫して採用しています。知る機会と引き換えにスティグマを強めてしまっては本末転倒であるという考えから、表現は平易で差別的でないことを徹底し、文言の修正を重ねました。さらに正式版では、高校教員のアイデアを取り入れ、制度が歴史の中でつくられてきたものであることを意識し、自分たちも制度を変えうる主体であることを実感してもらうために、「こんな制度あったらいいなカード」を新たに追加しています。

今後は、6月より正式版の実施先募集と営業を本格的に開始します。すでに約1,000名の体験予定が決まっていますが、2025年度は延べ3,000名の体験を目標としています。学校や教育機関での導入をご検討の際は、ぜひお問い合わせください。また今回の体験会には多数のお申し込みをいただき、キャンセル待ちでご参加いただけなかった方々にはご迷惑をおかけしました。今後はどなたでも参加いただける公開体験会を開催してまいりますので、ぜひご参加ください。

最後に、本プロジェクトに寄せられた温かいご支援とご関心に深く御礼申し上げます。正式版の完成をもって、私たちは「制度を知る機会」をより多くの方たちに届けていきます。引き続きのご支援・ご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。

正式版の実施受付も開始いたしました。以下をぜひご覧いただけますと幸いです。