SCA研修プログラムDAY1スタートしました

11/14にSCA研修プログラムのDAY1がスタートしました。

DAY1は東京大学の本田由紀先生に「日本社会の変容と社会的排除」というテーマというご講義いただきました。戦後、日本の家族、教育、産業がどのように変化し、その結果、現代社会にどのような歪みが生じているのかについて100枚以上のスライド資料を元にお話いただきました。

次回12月は「社会正義と人権 -自らの特権を自覚する-」をテーマに、カナダオンタリオ州 認定ソーシャルワーカーの二木泉氏を講師にお招きします。

以下、参加者の皆さんの感想を一部掲載します。

参加者の皆さんからのご感想(一部)
仕事、家族、教育に関する現状の課題や、克服への方向性が整理できました。ありがとうございました。
マクロな視点で現社会を学ぶことが出来た。社会構造を学ぶことで漫然と支援をするのではなく、ソーシャルアクションにつなげられると思うので実践においても活用していきたい。
今の社会の中で多くの課題がありSWとして解決していきたいと思ってきましたが、課題が生まれた歴史的背景、課題の根拠となるデータなど自分の知識が非常に薄かったため、本日参加することで少し知識を増やすことができました。今そして今後自分は課題のどの部分にアプローチしているのか、課題の背景は何か等を考えながら取り組んでいきたいと思いました。
個人的にも仕事をするうえでも大変勉強になり、かつ仕事への向上心や意欲につながりました。私も夫も昭和48年生まれでロスジェネ世代です。団塊の世代であるそれぞれの両親の価値観を押し付けられるように生きてきて、ようやくそこから解放されつつあります。しかし、経済的な余裕はありません。息子は知的障害児なので、福祉サービスを利用する立場でもあります。仕事は、就労継続支援と生活介護サービスを実施する事業所の社会福祉士(生活支援と相談支援)をしています。職場においても、ロスジェネ世代の利用者さん(精神障害)の方が多いです。障害ある方々は特に、現在の生活や将来の生活に対してあきらめてしまっているような方が多いです。衣食住の心配がなくなり、承認要求が満たされ、次のステップに進むための支援が自分の役割なのだと改めて実感しました。たくさんの資料提示をしていただき、とてもわかりやすく、また先生の情熱が伝わりました。誰もが幸せになっていいんだよ!という社会の実現目指して、自分にできることをしたいと思います。ありがとうございました!
日本社会の構造的な課題が、仕事、家庭、教育の中でどのように発生しているか、それがどう少子高齢化に関係しているかと言う点がクリアーになった。
本日のお話、とても同意する部分が多く、頷きすぎて首が痛いほどです。たくさんの資料をシェアしていただきありがとうございました。本音で語っていただき、エンパワーされました。日本の年齢別貧困率の男女別の比率はとても興味深かったです。はやりこの問題はジェンダーの視点を抜きにして語れないことを実感しました。最後に共有していただいたセーフティネットとアクティベーションの話はとても参考になりました。
今のままじゃいけないんだ!何とか変えていかなければいけないんだ!という本田教授の熱量を画面上からでも感じることができました。戦前、戦後、現在での日本社会を、国際比較から具体的に表していただき、本当に様々な課題があると実感しました。個人や家族の自己責任で片付けられてしまう風潮は、歴史の中で積み上げられているものなのだと理解しました。そんな社会の中で私自身が圧倒的に足りていないことはP102の資料に書かれている<抵抗>なのだと思います。今行っている仕事、社会に対し、疑問を持ち、それを発信していければと思います。有意義な時間でした。ありがとうございました。
自分の所属している障害者の就労支援事業所においては、承認・教育訓練・生活保障(スライド102ページ)を担っていると思うので、今後社会福祉士として「抵抗」の部分にどう関わっていくか、考えたい。
現在の何か変だと思われる状況をデータと熱意をもって教えていただきました。
臨床で出会う、様々なクライエント・家族の顔を思い浮かべました。社会構造を学ぶことで、クライエントが抱える課題を個人だけでなく社会の視点からもアセスメントすることの大切さを再確認させて頂きました。
熱意のあるお話、2時間あっという間でした!ありがとうございました。全部印象的でしたが笑 本当に根本的な社会構造におかしいところがあるんだなと知りました。私自身もしょうがないのかなと思てしまう瞬間はあったりするので(そうでないと話が進まないなど)そこは意思を持って発信したり伝えたりしてよいんだと思いました。
長く発達障害の支援に携わってきた中で危惧してきたことが現実となってしまっていることに、ひとりの大人として責任を感じつつもがいています。最近子どもの自殺対策に関わるようになり、今日のお話が実感として理解できまます。自分の役割りがどこにあるのかを自覚し、たくさんの人と繋がっていかなければと改めて思いました。
今日は学ぶ機会を作ってくださり、ありがとうございました。グラフをたくさん使われていて、とてもわかりやすかったです。話す速さも個人的にはこれぐらい早い方がむしろ頭にスッと入ってきてとても良かったです。ただ、本田先生の研究対象である、教育についてもっとお話を聞きたかったです。
人口構造や少子化、ジェンダー差別の点で、日本が深刻な状況であることは薄々わかっていましたが、少々不可逆的なところまで来ているな、という絶望に近い感想を持ちました。私は難病の当事者であり、弁護士であり、いずれも規格外の属性のため、生きづらいことこの上ありません。社会運動が弱い日本にあって、体力的にそもそも社会運動として成立しない難病という属性は、放っておくと本当に社会から排除され続けるしか選択肢がありません。しかし、医学が進歩すると私たちは寿命まで生きていかなければなりません。社会が私たちに寄せる期待(イメージ)は、ずっとベッドの上ですごすこと。でも、死ぬまでベッドの上ではあまりにも酷です。私たちが病気があっても社会の中に居場所を見つけ、生きていてもいいと思える社会と作れた時、まだ救いのある社会になっているのではないかと思います。でも、どうしたらいいのか…
今の当たり前を思考停止で受け入れることが何かを助長している恐れがあること。だからこそ、一人一人が感じている違和感や感情、それを発生させているシステムの仮説について、声をあげることが当たり前になる社会を作りたい。
本日はありがとうございました。とても素晴らしい内容の講義の一言に尽きます。日本の多くの人たちが今抱えている問題は実は社会問題であるという視点を持ってもらうために根拠に基づかれた説得力のある分析でたくさん学ばさせていただきました。特に自分は教育から福祉に来た経緯があり、先生の分析は全くその通りであるとしかいいようがありません。今回の参加者や社会福祉関係者のみならず、学校関係者等にも知ってもらいたい視点だと強く感じます。また最後の矢印を双方向にするというモデルはとても刺激的でした。本日はとても貴重な忘れられない時間となりました。本当にありがとうございました。
日本の将来に危機感を抱いている国民がどのくらい存在するだろうか?と考えさせられました。SWは職業柄、その多くが危機感を抱いていると思われます。常に世界や自国の状況を俯瞰し、課題意識を持ちながら、変化の一端を担っていく存在として、発信していくことも役割の一つなのだろうと感じました。本田先生の並々ならぬ熱量に引き込まれ、とても興味深く拝聴させていただきました。ありがとうございました。
貴重なお話をありがとうございました。バランスの崩れた地域社会で、声をあげる手段もわからずに生きづらさを抱えている人々をいかに発見し、声をあげていくことができるかについてあらためて考えることができました。
自身のSW支援を顧みると「承認」と「生活保障」の一端は担えていたと思うが、将来の視点としては「適応」の視点に偏っていたのではないか。「抵抗」の必要性を、理論上は認識していたものの、実践に取り入れることはできていなかったと感じた。 また、「制度の狭間」、「声なき声」と表現される存在が、社会構造でみたときには「循環モデルに乗れなかった人たち」ということなのだと理解した。教育の機会において、経済力だけでなく、児童の状態像という意味でも、教育の機会を与えられない子供は割合として増えているのではないか、と感じる。発達障害や、医療的ケア児、疾患特性上「日常の状態像」に波がある子どもたちなど。教育のレールに乗れなかった子どもたちは、その先のレールにものれない、ずっと排除され続ける、という危機感を、小児科でも、ひしひしと感じ、教育の在り方について歯がゆい思いをしている。保健・医療領域と教育領域とが議論を交わし、教育の在り方について政策提案していけるようになればと感じた。