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「分かったフリをしていないか、ソーシャルアクションの前提を呼び戻せ」【3/11特別講演・シンポジウム開催レポート①】

15 3月 18
SCAスタッフ
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今回はソーシャルアクションに関する事例研究や実践をされている、3名の講師のみなさまをお招きし、本プログラム研修報告と共にご登壇いただきました。まず初めに、聖学院大学人間福祉学部客員准教授であり、特定非営利活動法人ほっとプラス代表理事である藤田孝典氏に、ご登壇いただきました。

 

 


ソーシャルワーカーとして15年目を迎える藤田氏。大学時代から、家がない人や路上生活者の方々との関わりを持ち続けている。



 

藤田孝典氏が代表理事を務める特定非営利活動法人ほっとプラスでは、4つの事業を行っている。

 

 

社会福祉学(学士)の領域で、ほとんど「マクロソーシャルワーク」を学ぶ機会がない。今までのミクロの場での「食糧支援」「傾聴活動」はできるが、それは至るところで数えきれないほどの大量のニーズがあり、その「穴」を塞がなければ決して解決できない。

 

本人の努力、しくみ、既存の制度だけでは解決できない場合に、

 

社会資源をどのように開発すればよいか、どのようにして使いこなせばよいか』

 

ミクロ領域での実践、スキルや技術重視教育のあまり、このような構造的な欠落問題にあまり意識が向かなかったのではないかと指摘する。藤田氏は、社会構造をアセスメントするためには「経済学の素養」も欠かせないと話す。法学系や経済系の学問領域を学んでいる学生がソーシャルアクションに対し、理解を示しやすい傾向にあるが、社会福祉学系は、目の前で起こっている現象を社会上の問題として捉え、解決する流れを学問としても、現場でも学ぶ機会が少ないと問題意識を向ける。

 

制度に押し込めるな

 

路上での方が「自由」「自分らしい」

 

生活保護制度は、資産調査を受けることを条件に、査定ののち支給が決まる。家族関係、学歴、職歴などありとあらゆる個人情報を提供しなければならない。

 

それを恥ずかしい、嫌だ、受けたくない。あなたは、生活保護受給を拒む人がいると知っているだろうか?

 

このようにして「人権」を侵害されている人がいる中、本当に人と向き合ってきたか。今ソーシャルワーカーとして問われる。

 

いまも社会権が脅かされる人々が、この社会にいる

 

特定非営利活動法人ほっとプラスの拠点、埼玉県。この埼玉県・川口市や大宮市の駅前で野宿している人を、見かけることはないだろうか。その中には、

 

・病院から退院し、そのまま路上で生活している人

・アパートを探している人

・夜逃げしてきた人

・障碍者手帳を持っていない人

・健康保険証を失効してしまった人

 

その中では、高齢者や障碍をもつ人が多いが、住宅での共同生活に適応が難しいケースが多くみられる。

 

×飲酒

×喫煙

×ペット持ち込み

×家族や身寄りのない人

 

上記の理由で、入居ができない、退去せざるを得ない人がいる。

 

つまり既存のグループホームやシェルターから、はじかれ、転々と居場所を変えざるを得なかった人を受け入れていることも多い。

 

対象者は、だれか?云々でなく、全員のはずだ。

 

クライアントに合わせたホームづくりを行い、受け入れ態勢を整えることも必要だ。そして、社会資源開発における政策への提言・提案をソーシャルワーカーが議論をする必要性は大いにある。

 

情動抜きで、ソーシャルアクションは不可能

 

憤り・悲しみ・怒り…思いがあるからこそ、ソーシャルアクションを実行できる、そう藤田氏は語る。

 

 

感情を押し込めてはいないだろうか。私たちは、感情抜きに社会の違和感に気づけるだろうか。分かったフリをして、済まし顔をしてはいないだろうか。冷めきった論理で社会を変えることはできないのである。

 

昨今の社会起業をする学生、社会人が増えつつある。営利・非営利問わず「人の役に立ちたい」という想いは、同じかもしれない。だが、形骸化している理念に説得力を感じないと藤田氏は話す。

 

クライアントの「苦しい」を解放するものか。お金になる前提で支援をしている、対象者をあらかじめ決めている支援者団体もある中、お金に結び付いていない『福祉対象者』がいることを忘れないでほしい。

 

変革主体は、あなたである。

 

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■講演者プロフィール

藤田孝典 特定非営利活動法人ほっとプラス代表理事。聖学院大学人間福祉学部客員准教授。2004年よりNPO活動開始。2017年度は、全国248件で講演実施。著書「下流老人」「貧困世代」など著書多数。最新著書「続・下流老人」は5万部突破。マスメディアとの協働で社会構造そのものへソーシャルアクションを働きかけている。

 

■特定非営利活動法人ほっとプラス

〒337-0017埼玉県さいたま市見沼区風渡野359-3タウンコート七里1階

ホームページ:www.hotplus.or.jp/

 

■労働組合とユニオン

藤田氏がスーパーバイザーを務めています。

介護・保育・福祉業界で働く方の労働相談を受け付けています。

相談無料、秘密厳守します。お気軽にお問い合わせください。

e-mail:contact(a)kaigohoiku-u.com 

  • を@に変えて送ってください。

 

■Social Action.org

藤田氏主催のプロジェクトです。ソーシャルアクションに関心のある多領域の学生や院生と勉強会、フィールドワークを開催しています。

ホームページ:https://socialactionorg.localinfo.jp/

 

○文責

久保田紗佑歌 1997年生まれ、東京都出身。元中間支援NPO理事。行きたい国は、デンマーク・エストニア・キューバ・パナマ。最近楽しかったことは、日本語学校で勉強している留学生とディズニーランドへ引率をしたこと。福祉職も含め、対人援助分野での職を転々とし、自分の血肉として吸収し、『カラー』のついたサービスを目指したい。