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イベントレポート)SCA流スタディ&アクションツアーVol.1「ハンセン病資料館・多磨全生園編」

27 3月 , 2016,
SCA 広報
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SCA広報のふくしばです。
 
2016年3月20日(日)、ハンセン病資料館でのガイダンスビデオ上映会およびハンセン病患者・回復者の当事者である語り部の平沢保治さんのお話し会開催に合わせて、SCA流スタディ&アクションツアーを開催いたしました。おかげさまで15名(+子ども4名)の方にご参加いただきまして、盛況のうちに無事終えることができました。
 
最近流行りの「スタディツアー」は、単なる観光ではなく社会問題の現場を体感して学びの場とするのが目的ですが、SCAではやはりソーシャルアクションを意識したいということで、学び+αで何かできないかと考えたのが今回の「SCA流スタディ&アクションツアー」です。
 
私たちソーシャルワーカーのいちばんのミッションは、社会保障や福祉サービスの知識・制度や相談援助技術を駆使して個人や家族の生活や権利を守ることと、加えて、過去に起きてしまった人権侵害や差別・偏見から同じ悲劇を二度と繰り返さないために社会変革を促す環境を整えていくこと、この両輪であると言えます。日ごろのケースワークとソーシャルアクションをいかにうまくリンクさせて機能させていくか。このあたりの視点で、SCAという資源をうまく使ってもらえたらと思っております。
 
さて、今回のツアーですが、「ハンセン病に関する基礎知識や彼らを取り巻く差別・偏見と人権回復の歴史を肌で感じ、同じような悲劇をふたたび世に生み出さないためにも、私たちソーシャルワーカーに何ができるか、何をすべきかを考える」ということをテーマに据えてみました。ハンセン病患者・回復者を取り巻く歴史は、人権侵害とその回復の歴史そのものと言えます。有効な治療法が確立されたあとも行政や地域住民から差別・偏見を受け続けたハンセン病患者・回復者の方々のことばには、さまざまな思いがこもっています。怒り・悲しみ・憎しみ・あきらめ・奮起・達成感…そういったリアルな声をしっかり受け止め、自らの実践に活かすにはどうすればよいか、参加者みんなで考え、共有したいという思いで企画しました。
 
実際のツアーの流れですが、まずハンセン病資料館の一般展示の自由見学、ガイダンスビデオ鑑賞、ハンセン病患者・回復者の当事者である、語り部・平沢保治さんのお話し会に参加して、そのあと、参加者全員で感想をシェアして、さらにハンセン病患者・回復者の人権を守るために私たちは何ができるか、また、ハンセン病の悲劇を新たに生まないために私たちは何ができるかを考える時間を取りました。
 
ツアー当日は、数ヶ月ぶりのお話し会ということもあり、たくさんのひとが資料館を訪れていました。ちょっと余談になりますが、たまたま「横浜社会福祉研究会」さんのスタディツアーと日程が重なったようで、そこにSCAのイベントにもよく来てくださっている方がいらっしゃっていて、どちらのツアーに参加しているのか勝手に混乱しておりました(笑)。
私が以前参加したときはホールの3分の1くらいの来場者数でアットホームな感じでしたが、この日は満員御礼で補助席も出るくらい盛況で、連休中ということもあり、子どもたちもたくさん来ていましたね。みなさん、本当に平沢さんのお話を楽しみに来ているのだなぁと実感しました。細かいお話の内容は割愛いたしますが、ハンセン病患者・回復者のひとたちの生活と権利がどのようにふみにじられ、また回復させることができたのか、ときには厳しく、ときには穏やかでユニークな口調で語られる平沢さんのことばに、そのあたたかい人柄とともに、壮絶な人生がその背景にあるのだということを改めて認識することができました。
 
お話し会参加の熱気が冷めやらぬまま、ツアーのまとめとして全生園内の休憩処「なごみ」にて、プチワークショップを実施。まず、参加者全員で展示見学やお話し会の感想を語り合い、そのあとグループに分けて以下の2点についてグループごとに話し合ってもらいました。
 
・きょうのツアーを通して、ハンセン病患者・回復者のひとたちの権利を守りつづけるために、私たちができることを考える
・きょうのツアーを通して、ハンセン病患者・回復者のひとたちと同じような差別・偏見を新たに生まないために、私たちができることを考える
 
重なる部分も多いのですが、実際に起きてしまったケースへ思いをめぐらせることで、新たなケースを生まないためのアクションを新たに産み出す。こういう循環を作っていくきっかけになればと思い、このようなテーマを設定しました。今回は、障害のある子どもの支援や引きこもりの支援に関わっている方、福祉を学ぶ学生さんなど幅広い層の方にご参加いただいたので、さまざまな価値観や立場からユニークなアイディアがたくさん飛び出しました。
 
ちなみに各グループ(勝手ながら「チーム・ドラゴン」と「チーム・タイガー」と命名させていただきました・笑)のアイディアはこんな感じです。
スタディ&アクションツアーVol.1 チーム・ドラゴンアイディア スタディ&アクションツアーVol.1「チーム・タイガー」アイディア
 
特に面白いなぁと思ったのは「チーム・ドラゴン」から出てきた「スタンプラリー」。今回のスタディツアーで見学対象としたハンセン病資料館のように、啓発系施設をめぐるスタンプラリーを企画することで、より広い分野の深い知識を肌で感じることができ、しかもスタンプラリーという形をとることで、福祉に興味のあるひとたち以外に親子での参加なども促すことができるのではと。また、「チーム・タイガー」からは、教育・子育ての段階からの人権感覚の学びを深める意味で、親子ワークショップの開催など挙がっていました。小学校の道徳の時間だけではなかなか磨ききれない「生きる権利を守る」という意識を、子ども同士だけでなく、親子や地域で学ぶ機会をつくるというのはとても大事なことで、ぜひ福祉専門職からの発信でできたらいいなと思いました。
社会を変えるためには、「一人ひとりの行動力」…本当にそうですね!
 
グループごとのアクション案をとりまとめ、最後はおまけを。せっかく参加してくださった皆さんに、何か形に残るものと思い、旅行のチケットをイメージしたじゃばらカードをプレゼントさせていただきました。カードには、ソーシャルワーカーの倫理綱領が書いてありまして、仕事着のポケットやネームプレートの中に忍ばせて、ふとしたときにさっと取り出して眺めてもらえたらと思い、作成しました。
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いちばん下の部分は、SCA流スタディ&アクションツアーに参加した証として、アクション意識を高め、今後も実践していくことを宣誓するカードになっています。
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今回も参加してくださったみなさまにご署名いただきました。
(写真はみなさまからいただいたものの一部です)
スタディ&アクションツアーVol.1 アクション宣誓カード
今後もスタディ&アクションツアーを開催するたびに同じカードを皆さんとストックしていって、いつか何千、何万枚というカードをずらっと一面に並べて、みんなで眺めることができたら、それはもうひとつの大きなソーシャルアクションになるのではないかと、いまからワクワクしております。
 
と、このような感じで第一弾のツアーは無事終了いたしました。まだ次回の詳細は決まっておりませんが、ぜひ近いうちに第二弾を開催したいと思っております。みなさまからもこういうところでやってほしい、こういうことをみんなで考えたいというアイディアがあればぜひぜひお寄せください。SCAがいっしょになって具現化して実践します!
みんなで真剣に楽しくアクションしましょう!
 
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