Social Change Agent 養成プログラム2017 1期生募集

 
 

本年6月からSocial Change Agent 養成プログラム2017をスタートします。
本プログラムは、以下3つから構成されています。

1.Social Action Drinks& Study tour (当事者の声から、社会の問題を知る。過去の歴史から、社会の問題を考える)
2.Social Action School(ソーシャルアクションについて学ぶ)
3.Social Action Internship(現場で知り、考え、実践のヒントを得る)

 

Social Change Agentとは、「様々な社会システムにおける変化を促進する主体者としてのソーシャルワーカー」を示す造語であり、わたしたちの法人名「Social Change Ageny」には、「様々な社会システムにおける変化を促進する主体者としてのソーシャルワーカーの集団を形成する」という意味が込められています。


本来、ソーシャルワーカーには目の前にいる人への個別支援だけではなく、その人の困りごとを生み出している社会構造への働きかけが必要です。しかし、現状、日本のソーシャルワーカーの多くは個別支援に終始し、社会へ働きかける機能(ソーシャルアクション)が非常に弱いという課題意識から、ソーシャルワーカーのソーシャルチェンジマインドの醸成、パートナー(仲間)づくり、スキルの獲得、それらを基にしたソーシャルアクションの実地を踏める環境づくり急務だと考え、本プログラムの開始に至りました。

時代はさかのぼり、戦後、社会福祉専門職の養成を担った日本社会事業大学で当時教鞭を振るった吉永清、今岡健一郎、星野貞一郎らは、著書「社会福祉概説(1976)」において、”社会福祉政策はどのように実行されるか? 社会福祉の循環構造モデル”と、以下のようなことを述べています。

 

”日本の多くのソーシャルワーカー/社会福祉職は、さまざまな制度を必要な人に届ける役割(援助活動主体)だけではなく、制度から排除されている人たちに対し、必要な支援を届ける活動をおこしたり、ときに運動主体として、制度の不備を選挙や福祉運動、社会活動などによって政策主体に働きかけるソーシャルアクションを行っていかなければならない。”

 

そして、日本初の医療機関勤務のソーシャルワーカーである浅賀ふさ(1894-1986)も、「個を対象とするソーシャルワーカーが出会う問題の中には、多くの社会的レベルにおいて解決しなければならない問題がある。対象者の問題を顕微鏡を通して見るごとく身近に知ることができる立場にある」、「ソーシャルワーカーこそ、 社会政策への強力な発信者でなければならない」と述べ、その言葉を体現するかのごとく、社会活動家として母子保護法の制定に関与、1958年の国際社会事業会議で、「放射能と人類福祉-なぜ日本人が核兵器実験に反対するか」というテーマで発表(広島のMSWと被爆者調査をし、世界に発信した)朝日訴訟にも関与しました。

 

そのような歴史的文脈、先達たちの実践がありながら、日本のソーシャルワーカーのソーシャルアクション機能は弱体化し、ソーシャルワーク6分法の1つであるソーシャルアクションは養成過程においても軽視され、社会福祉士国家資格化により、ソーシャルアクションに関連する他学問はより軽視されるようになりました。 結果、福祉政策の末端にいるにも関わらず、政策主体にフィードバックする機能を欠落させた「物言わぬ労働者」と化すという状況に陥り、ソーシャルアクション機能が沈黙と化したことにより、職業の社会的意義の自己喪失と、社会からの評価・期待・信頼を得損ねました。強い言葉を使えば、「ソーシャルアクションという牙を抜かれて、日本のソーシャルワーカーは草食化した」と言っても過言ではない状況にあります。

 

ですが、昨今の地域包括ケアシステムにおける議論、国が示した「新福祉ビジョン(2015年9月)」、「一億総活躍プラン(2016年6月)」、「『我が事丸ごと』地域共生社会実現本部(2016年7月)」などにおいて、ソーシャルワーカーへの社会的要請はまた違った顔を見せます。

・包括的な相談から見立て、支援調整の組み立て+資源開発
・公的支援の「縦割」から「丸ごと」へ

上記は、時代が「ソーシャルアクション(特に社会資源開発)のできる分野横断型ソーシャルワーカー(ジェネラリスト)」を求めている、と読み解くことができます。

本プログラムは、Social Change Agencyのネットワークを総動員し、制度外のニーズを抱える人たちや現状の制度の狭間にある人たち、支援が届きづらい人たちに対して新たな資源を開発することで情報や支援を届けているソーシャルワーカーの方たち、当事者としての声を共有してくれる方たち、養成校やソーシャルワーカーの育成を担う先生方、職能団体にもご協力をいただき実現しました。

Social Change Agent養成プログラムは、”社会福祉の現場から、社会を支え、そして、より良い社会をつくるための方法をデザインする”ためのソーシャルアクションに必要な、マインド(意識)、ネットワーク(仲間)、スキル(技術)を得るために、少人数の7名がチームとなり、共に学び合う場です。 未来を切り開くソーシャルワーカーを志す皆さんの参加をお待ちしています!!