Category Archives: イベントレポート

【事業報告】東京都の区社会福祉協議会の城北ブロック合同職員研修を担当いたしました.

15 3月 18
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代表理事の横山です。

3/12(月)に、東京の区社会福祉協議会の城北ブロック合同職員研修をSCAで担当させていただきました。

テーマは「アセスメント」です。

地域を実践フィールドに置く社会福祉協議会こそ、「アセスメントの範囲を広げる」ことが必要であり、地域への空間・時間軸における理解/社会構造への深い理解がなければ、介入の焦点を定めることができません。

それゆえ、基本的なアセスメントの枠組みを自覚、使いこなし、自分なりの型を知ること、また、各々のソーシャルワーカーの属人的な実践知を、チームの能力として底上げするためにどのように活用するか、という論点を3つのワークを取り入れながらお伝えをさせていただきました。

研修という局所的な介入ではできることには限りがありますが、日々のアセスメントのやり方を振り返っていただくこと、振り返り、言語化されたアセスメントに関する知を概念化し、手持ちの武器にしていくための導入の入り口までをご一緒させていただきました。

 

 

同じ社会福祉協議会というくくりがあるからこその共通点が見えたり、また同じ組織や部署で働いていても、知りえなかった互いの暗黙知を共有するきっかけになったという声もいただきました。

メゾ・マクロ実践において、手段としてのソーシャルアクションを用いる前段階の「アセスメント」こそが介入の質を決めます。

今後も、アセスメントに関する発信や研修の実施などを行っていきたいと考えております。

 

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弊法人では、さまざまな実践領域のソーシャルワーカー(経験年数10〜20年)が所属しており、組織の研修ニーズに合わせたオーダーメイドの研修作成・実施も行っております。

研修ご担当者の方、有志で勉強会を企画されている方からのご依頼を随時受け付けておりますのでお声かけください。

http://social-change-agency.com/contact

「分かったフリをしていないか、ソーシャルアクションの前提を呼び戻せ」【3/11特別講演・シンポジウム開催レポート①】

15 3月 18
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今回はソーシャルアクションに関する事例研究や実践をされている、3名の講師のみなさまをお招きし、本プログラム研修報告と共にご登壇いただきました。まず初めに、聖学院大学人間福祉学部客員准教授であり、特定非営利活動法人ほっとプラス代表理事である藤田孝典氏に、ご登壇いただきました。

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ソーシャルアクションのリスク -アウトリーチ現場からみえてきた支援のミスマッチ【第5回social action school】

07 3月 18
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こんにちは。SCA一期生の大塚です。

第5回目のSocial Action Schoolゲストは、全国こども福祉センター理事長の荒井和樹氏です。

 

 

 

 

 

 

荒井 和樹

社会福祉士.大学卒業後、児童福祉施設での児童指導員を経て、全国こども福祉センター設立。現在は大学教育機関での教育活動(サイバーパトロール演習)、利用者支援事業、社会的養護に関する活動(アフターケア・相談事業、給付金型奨学金ソーシャルワーカー)、社会での活動(デタッチドワーク実践、アウトリーチ(直接接触型)研修・国内普及プログラム)を実践し、社会的養護に至る前の予防活動に力を注いでいる。

 

今回は、“一歩立ち止まって支援を見直す”ということで、ソーシャルアクションに取り組む際のリスクについてお話を伺いました。ソーシャルアクション実践として、強い声を上げるために様々なメディアやSNSが利用されます。貧困ポルノのようなメディアで作り上げられたストーリーや貧困像に、安易に偏重し加担してしまう危険性についても伺うことができました。

私は青年海外協力隊員としてアフリカの国際協力に携わった経験があります。国際協力の現場でも、多額の資金を使って建設されたハードが使われないなど、支援のミスマッチが散見されています。直接その国の文化に入り込んで支援することはとても重要なことです。今回お話を聞いて、支援の考え方は国内も国外も関係ないことを痛感しました。

 

では、荒井氏に投げかけていただいたたくさんの問題提起を中心に、講義を振り返っていきます。

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がん患者の思いを全国へ。組織に所属するソーシャルワーカーが社会を変える【第4回social action school】

17 12月 17
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日本人の2人に1人が「がん」になる時代。「がん」は共に生きていく病気になりつつあります。



今回のゲストは、がん患者の声を社会に発信するソーシャルワーカー・岡江晃児さん。



social action schoolは、ソーシャルワーカーが対人支援にとどまらず、社会に働きかける手法(ソーシャルアクション)を学ぶべく、毎回ゲストをお招きしています。



岡江さんには「組織に所属しながらできる、ソーシャルアクション」についてお話を伺いました。

 

岡江 晃児

社会福祉士。2005年鹿児島国際大学福祉社会学部卒業。国立病院機構大分医療センターに医療社会事業専門員として入職し、地域医療連携室を立ち上げる。2009年地域の医療・福祉関係者と共に地域医療福祉協議会を立ち上げ、大分市東部地区のネットワーク構築に取り組んでいる。

 

 

    患者さんの思いを表出できる場「がんサロン」

 

「“がん”と聞いて、どんなイメージがありますか?」

「“がん”になったら、おしまい。本当にそうですか?」

 

そんな問いかけから講義が始まりました。

 

岡江さんはソーシャルワーカーとして、がん患者のサポートをしてきました。

 

「“がん”は2人に1人がかかる身近な病気にも関わらず、日本人の70%が“怖い”と思っている」と岡江さんは話します。また、日本人はアメリカ人と比較して、自分の思いを伝えるのが苦手なことから、不安な気持ちを一人で抱えやすい傾向にあります。

 

そんな現状に対して、普段から患者さんと接するソーシャルワーカーにできることはないか。そう考えて始めたのが「がんサロン」でした。

 

がんサロンとは、患者さん同士が集まって、自分の体験や気持ちをシェアできる場。がんサロンに来てくれた人は、口を揃えて「聞いてもらえてよかった」というそうです。

 

 

すべての患者さんに、思いを表出する場を

 

一方で、がんサロンに足を運べない人もいると気づいたといいます。その背景には、距離や時間の問題、足を運んで人前で思いを表出することへの抵抗がありました。

 

がん患者がいるのは、大分医療センターだけじゃない。日本全国にがん患者がいる。がんサロンに足を運べない患者が、自分の思いを表出するにはどうしたらよいのか。ソーシャルワーカーとして、患者さんに何ができるのか。

 

そこで考えついたのが「がん川柳」



 

がん患者が、がんについての思いを5・7・5でつづるというものです。川柳を通じて、ストレスの軽減ができるという研究結果を元に、この取り組みを始めることにしました。

 

がん川柳であれば、大分医療センターに来れない人も、思いを表出できる。また、川柳として形に残すことで、社会への発信もしやすいと考えたそうです。

 

がん川柳は、日本初の試み。応募が来るのか不安を抱えていた岡江さんですが、蓋を開けてみたら、全国から100通を超える応募があったそうです。





 

 

「がん川柳」に届いた、病院では聞けない声

 

手元に届いた「がん川柳」を一つひとつ眺めてみると、病院では見られない患者さんの姿を垣間見られたそうです。

 

「がん告知 ペンで書き足す 生命線」

「同意書 ひたと見つめて 夜が明ける」

「バラバラに なった家族を 束ねたがん」

 

がん川柳には、がんに対する十人十色の思いが綴られていました。

 

がんの告知を受け「自分はもっと、生きていたい」と願ったこと。医師からもらった同意書を眺めて、不安な気持ちで夜が明けたこと。がんがきっかけで、心が離れていた家族の絆が深まったこと。

 

川柳から溢れ出る思いに触れて、「病院にいる時の言葉だけが、患者さんの言葉ではない。医者もソーシャルワーカーも、患者さんのことを何も知らない」そう思い知らされ、ハッとしたそうです。





 

 

がん患者の想いを全国へ

 

岡江さんはがん川柳を通じて、がん患者の思いを代弁し、社会に発信できないかと考えるようになりました。

 

ソーシャルワーカーは、日々向き合っている利用者に寄り添うだけでなく、社会に発信する役割も必要とされているからです。

 

組織に所属しているソーシャルワーカーだからこそ、できることは何か。そう突き詰めて考えたところ、冊子を作り、無料配布することを思いついたそうです。



 

冊子を作るにあたって、川柳の一つひとつが大切に見えるデザインを心がけました。また、隣にある川柳を見られる設計にすることで、患者さん一人ひとりの思いを共有し合えるようにしました。

 

最後のページには、思いが溢れて川柳を書きたくなった人のためのページを用意。

冊子にしたのは、ご家族のためでもあると岡江さんは話します。

 

もしも、患者さんが亡くなってしまった時には、ご遺族へのグリーフケアにもなるといいます。グリーフケアとは、身近な人との別れを経験した人が、その悲しみから立ち直れるようにサポートすること。

 

川柳を冊子にすることで、患者さんの思いを家族の元へ永遠に残すことができるのです。

当初、冊子は1,000部無料配布する予定でしたが、好評のため追加で1,000部増刷しました。

 

また、完成した冊子は患者さんへのプレゼントはもちろん、大分県内の一般書店、市立の図書館にも置かれています。今では、患者さんの気持ちを理解するために、大学の授業でも使われているそうです。

 

日々の実践がソーシャルアクションを生み出す

 

これは、大分医療センターだから、できたことなのでしょうか?

 

実は、岡江さんは、大分医療センター初のソーシャルワーカー。

 

病院におけるソーシャルワーカーの仕事は、患者さんやその家族と向き合いながら、彼らが抱える経済的・心理的・社会的問題の解決をすること。

 

しかし、病院で勤務し始めた当初は、院内でソーシャルワーカーの仕事が全く知られていませんでした。看護師さんに「なんで勝手にカルテ見てるの?」と言われたこともあるそうです。

そんな岡江さんが、なぜ「がんサロン」や「がん川柳」を始めることができたのか。

 

それは、仕事を通じて、組織にソーシャルワーカーの仕事を認めてもらったからだといいます。日々の実践の積み重ねがあるからこそ、地域や社会に働きかけることができるのです。

 

また、ソーシャルワーカーは対人支援だけでなく、地域や社会に働きかける役割を持っています。それを組織に知ってもらうことが必要です。そのためには、言語化して発信するスキルがかかせません。

 

組織に居ても、社会に働きかけられる

 

ソーシャルアクションというと、制度を変えるような大規模な取り組みをイメージするかもしれません。

 

しかし、岡江さんは「制度を変えるだけが、ソーシャルアクションではない」と語ります。患者さんの思いを社会に伝えることも、立派なソーシャルアクションです。

 

また、組織に居るからこそできる、ソーシャルアクションがあるといいます。

 

組織の名前を出すことで信頼性を担保できることに加えて、一緒に働く仲間を巻き込んでいくこともできます。

 

支援を諦めていませんか?

 

岡江さんは、最後に参加者にこう語りかけました。

 

組織や環境、利用者のせいにしていませんか?人のせいにするのは簡単。でも、そんなソーシャルワーカーになりたいですか?ソーシャルワーカーは、利用者を取り巻く環境を動かす仕事です。最後まで、支援を諦めないでほしい」

 

組織に所属しているからこそ、出会えたスタッフや利用者がいるはず。自分がその組織にいる意味を常に考えることが必要なのです。

 

岡江さんからの問いをもって、講義のレポートを締めくくります。

 

皆さん、支援を諦めていませんか?

 

 

レポート作成者:菊川恵(選抜一期生)

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次回、2018年2月17日(土)のSocial Action SchoolはNPO法人OVA代表理事の伊藤次郎さんをお招きします。

 

「死にたい」と検索した人の検索画面に支援情報の広告を出し、インターネットを使ったアウトリーチを実践する伊藤さん。SOSを出せない人に働きかけるソーシャルアクションの実践を学べる機会です。ぜひご参加ください!

 

お申込みはこちらから

 

 

【報告】10/28(土)山形医療ソーシャルワーカー協会主催に代表理事の横山が登壇しました.

02 11月 17
SCAスタッフ
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10/28(土)山形医療ソーシャルワーカー協会主催で代表理事の横山が『ソーシャルアクションを為すために必要なことはなにか―ソーシャルワークの実践プロセスを通して思考する―』と題して研修を担当させていただきました。

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【子どもの権利を守る 予防的ケアへの挑戦  】第3回 Social Action School 【イベントレポート】

04 10月 17
SCAスタッフ
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『子どもの権利を守る 予防的ケアへの挑戦   』

講師:NPO法人PIECES共同創設者 事務局長  斎典道 氏(さい よしみち)

 

【子どもの教育と福祉の権利の統一的保障を目指す】

 

こんにちは!SCA1期生の武井です。

8月27日に開催されたSocial Change Agent養成プログラム、Social Action School第3回の講義のレポートをさせて頂きます。講師であるNPO法人PIECESの事務局長を務める斎典道さんは、「子どもの教育と福祉の権利の統一的保障」を人生をかけて取り組むテーマとして掲げて、ソーシャルアクションを起こされ、「福祉なくして教育はなく、教育のない福祉はない(小川利夫)」という認識をもち、複数の支援団体に所属しながら、胎児期、乳児期、学童期や青年期の子どもの孤立を防ぐ取り組みをされています。

自らを団体の「黒子」と表現する斎さんの行動には、組織のアクションを陰で支えるというソーシャルワークの新たな側面を見ることが出来ました。

私武井自身も、所属するNPOで子どもの学習支援と夕ご飯の提供、更には家庭での生き辛さを抱えた人が一時的に宿泊できる場所の提供をまとめた小規模な多機能施設を立ち上げ中です! この地域でやるからには、生活圏内の人の力を集めたい。でもどうしたらよいのか悩んでいた中で、斎さんのプロジェクトの「価値を共有する」ことの重要さが脳髄に響きました。以下、講義内容になります。


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1.NPO立ち上げに至るまで



<斎さんのストーリー>

大学在学中には、国内外の社会的養護、地域子育て支援の現場でフィールドワークをされていました。保育士の養成課程で実習として児童養護施設に訪れた際に、子どもの試し行動などに衝撃を覚え、「子どもたちが児童擁護施設へ入所する前に、もっと未然に子ども達に対して出来ることはないのか?」問題意識を持ちます。さらに、国内では社会福祉士の予防的な働き方が他国に比して発達していないと考えた斎さんは大学院在籍中、福祉先進国の北欧はデンマークへの留学を決意。

デンマークでは、施設養護か家庭的擁護の議論から「予防的ケア」の議論へ移行していることを実感されます。また、SWの働き方として、当事者が権利を行使できるように働くことを意識するようになり、日本では、権利を語る際に権利擁護として「守るもの」という考えが一般的ですが、「権利はそこにあるものではなく、行使するもの」という認識を持ったそうです。帰国後も、自分の意思で選んできた、人とは少し違う道である、「積極的逸脱」を繰り返してきた結果、NPO法人PIECESの立ち上げへの参画に至ります。



2.NPO法人PIECESとは

NPO法人として活動するPIECESの概要は以下の通りです。

子ども達を取り巻く、貧困、虐待、不登校や中退などの現状は、背景として「子どもの孤立」があると考え、それらを予防するための支援を展開しています! 
参照:http://www.pieces.tokyo/

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◆ビジョン:どんな子どもでも尊厳をもって豊かに生きられる社会

◆ミッション:子どもにとって信頼できる他者を増やし、社会の受容性を高めることで、子どもが孤立しない仕組みをつくる



◆事業内容

・孤立調査事業: 孤立している子ども達がどのくらいいるのか調査プロジェクトを行う

・CYW育成事業: 行政、地域と連携し、孤立したこども達に寄り添い、支援につなげる伴走者の育成

・会員コミュニティ事業: 孤立したこども達を支える多様な地域、企業の人などを集め、子どもを支えるコミュニティを生み出す。

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不登校や虐待などの諸問題の背景には「子どもの孤立」が存在しています。子ども達の孤立が起こる発達段階としては、「乳児期」「青年期」が多く、この段階に支援を行うことがポイントとなります。



子ども達の孤立につながる諸問題

乳児期

青年期

・虐待

・親の精神疾患

・親を亡くす

・若年妊娠

・親が子どもと過ごす時間が持てない

・虐待

・親の精神疾患

・いじめ、中退、不登校

・本人の若年妊娠

・貧困、就労の困難さ


そこに予防的な支援を行うためには、妊娠から乳児期、青年期の子どもにフォーカスして介入することが重要になります。しかし、現在、子どもたちを支援する選択肢としては、公的に支えるのか(公助)、家族で支えるのか(自助)の2択になります。



公的支援を受けるためには、当事者が公的機関に申請することが前提になるため、さまざまな理由で申請が困難である方にとって、支援を受けるハードルは高くなります。また公的支援も、貧困や虐待、障害などで支援分野や、当事者の発達段階に対して縦割り的でサービスが提供されており、対象の子どもや世帯にとって包括的な支援を受けることが難しいという課題があります。



このような状況下にある対象の子どもに対してPIECESは、「特定の信頼できる大人との出会いの提供」を行い、予防的な関わりを行います。具体的には子ども達と個別的な関わりができるコミュニティユースワーカー(以下、CYW)をPIECESが実施する研修によって育成します。CYWは対象の子どもとの個別的な関わりを通して、子ども達が抱えている問題をアセスメントしたり、子どもの興味や関心の分野を引き出したりして、支援機関や活動の機会につなげる役割を担っています。

※参考 http://www.pieces.tokyo/cyw/


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3.非専門家を活かすために

CYWは個別的に子どもたちと関わるため、PIECESが取り組むビジョンを達成する上で非常に重要な役割を持ちます。

対象の子どもたちの奥底にあるニーズや願いをキャッチし、支援を行なったり、関連機関に繋げたりする役割をもつため、経験値や専門性が必要だと思われますが、現在では様々なバックグラウンドを持つ方々がCYWとして16名活動しており、今までのプロジェクトでは230名の方を支援した実績があります。

ここでは、ビジョンに向けて一緒に歩んでいく協力者の方をPIECESがどのように巻き込んでいるのかについてお伝えします。

 

(1)価値観の共有

PIECESビジョンの実現に向けて、チームとしてどのような価値観を共有したいと考えているかをまず第一に伝えます。CYWは単なる子どもたちのサポート要員ではなく、ゆっくりと信頼関係をつくり、子どもたちの興味関心に寄り添い、可能性を引き出すこと。そのためにPIECESとして大切にすることは何かを丁寧に伝えていきます。

 

(2)実践と理論のインタラクティブな研修

CYWが実際に活動する中で体験したケースをゼミ形式で共有し、実際に経験したことの整理を行います。知識の習得のための座学が実施されるため、CYWは専門性と経験値を交互に習得し、常に実学として学んでいきます。

 

(3)CYWへの支援

専門職の方たちが丁寧にこどもたちを見立てて、その子にあうとおもわれるCYWを担当につけます。上記のように研修が定期的に行われるため、専門職や他のCYWからフィードバックを受けられるので、こどもたちへの関わりの質の向上、支援者の孤立の防止、結果、CYWたちがバーンアウトすることを防ぐことにもつながります。

 

※参考 http://www.pieces.tokyo/cyw/

 

このようなCYWを支える体制を整えることで、多様なバックグラウンドをもつ大人の方々をこどもたちの伴走者として育成する事ができます。福祉分野で地域資源を活かすためには、単なるボランティアとしてではなく、同じビジョンに向かう仲間として迎え入れ、行動の土台となる価値観を共有し合うことが重要だと感じました。


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4.多分野で働く独立型ソーシャルワーカー

 

斎さんは現在、

・PIECESの理事として組織マネジメント

・「スクールソーシャルワーカー(以下、SSW)」として教育の現場で

・「にんしんSOS東京」思いがけない妊娠に悩む女性に対する相談員として

 

3つの団体に所属し、独自のソーシャルワークを実践されています。他団体の業務やマネジメントを兼業することによって、様々な視点を得る事ができるとお話しされていました。

 

斎さんが活動される団体を発達段階に照らし合わせると以下のようになります。このように、隣り合う領域で支援を行う事で、メゾ、マクロレベルのアセスメントの手助けになります。それぞれの職場で子どもの異なる発達段階を横断的に支援することで、対象者の発達段階に合わせた支援や、次の発達段階に合わせた予防的なサポートシステムを作るためのアセスメントにも応用することが出来ます。

 




子どもの孤立を防ぐ予防的な支援として、「にんしんSOS東京」での支援があります。子どもが生まれる前や生まれた直後から、子どもの育つ環境をサポートできるため、PIECESで行う子どもや若者支援につながるサポートシステムを構築する事が出来ます。

 

SSWの現場では、構造上の問題として、当事者→担任→学校の管理職→教育委員会→SSWへ要請があって初めて介入できるため(地域によって異なる)、斎さんが目指す予防的な支援とは距離感がありますが、学校の先生や管理職サイドの考え方や文化を知り、アセスメントのための想像力を養うことが出来たそうです。


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5.「予防」のために取り組むソーシャルアクションとしてのネットワークづくり

 

(1)マルチセクターでの勉強会を開催

PIECESが窓口となり、「子どもの孤立を防ぐ」等のテーマで様々な組織、職能の方を対象にした勉強会を開催しています。対象は福祉の専門職に限らず、学校の先生などの子どもに日頃から関わりを持つ方などを対象とし、「予防的な支援」を行う価値の共有や連携の方法などを話し合い、効果的なネットワークを意図的かつ自然に作る工夫をしています。

 

(2)関係者間のエコマップの作成

子どもの孤立を防ぐための予防的なネットワークを作るためには、支援者同士の連携を強めていくことが重要になります。PIECESでは対象の子どもの孤立を防ぐために、こどもを取り巻く環境のなかにいる個人同士の関係性を可視化するエコマップを作成しているそうです。エコマップを作成することにより、対象となるこどもたちに繋がるためには、先ず誰にアプローチをすればよいのかなどを明確にすることができます。

さまざまな組織・職能の方とネットワークをつくり、協働していく際にもビジョンを共有することが重要です。そのために、上記の勉強会などで、サインズオブ・セイフティアプローチを用いて、それぞれの組織がもつ独自の強みを発揮するためにはどのように行動をすればよいのかなどを話し合ったりしているとのことでした。

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※サインズ・オブ・セイフティ・アプローチ(SoSA)とは、どんな家族でも必ず安全性の側面を持っている事に注目し、援助者と家族がパートナーシップに基づいて、その安全性を強化出来る様、解決志向で相談援助技術を進める事を大事にしているものである。子ども家庭への援助活動・相談援助の方法の一つでもある。

援助を受ける事に対してインボランタリー(非自発的)な子どもや家族が、子ども虐待や少年非行の事例では多く出会う事になる。こうした時で、尚且つ、ワーカーとしては法制度に基づいて子どもや家族の意思に反する措置等を行わねばならない時、援助関係は信頼関係とは逆の敵対的な関係に拘泥されてしまう事がある。特に虐待を認めない保護者に対しては、SoSAが使用されている事が増えている。

社会福祉士養成講座編集委員会編(2011)『児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度』中央法規.

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6.まとめ・感想

3つの分野にまたがり活動をされている斎さんは、子どもの発達段階に応じて、現在と未来の支援を構築するための見立てをおこなうことのできるスペシャリストだと感じました。その背景には、子どもたちのそれぞれの発達段階に合わせた個別の支援に携わったことによるミクロな視点の積み重ねの先に「予防的支援」のためのマクロな視点が見出されたのだと思います。また、斎さんは複数の団体の中で組織マネジメントの分野でも活動されていることから、団体の「黒子」とご自身を表現していたことも印象的でした。



ソーシャルアクションが起き続ける組織であるためには、団体メンバーの個性や特性を理解し、自身の立ち位置を考えることが重要だと仰っていました。それには、斎さんが子どもたちに向き合っていたからこそ、組織内のメンバーの特性を理解したりチャレンジを支えることが出来るのかもしれないと個人的に思いました!



現状にはない予防的なサポートシステムを作るという点で、ソーシャルワーカーは「変人」であると仰っていました。当たり前に流れているものに対して違和感をもち、変化させることがソーシャルアクションであるという視点に大変共感しました。以上、レポートでした!

 

【文責】SCA1期生 立正大学臨床心理学部4年 武井裕典

NPO法人ダイバーシティ工房 個別指導員・事務局インターン生

 

10/14(日)開催 第4回 Social Action School参加申し込みはこちら

 

【後援イベント開催レポート】「第1回 難病カフェ おむすび」

13 8月 17
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弊法人にて後援をいたしました「難病カフェ おむすび」の開催レポートをお送りいたします。



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こんにちは、mikoと申します。



7月23日(日)、「第1回 難病カフェ おむすび」を開催致しました。当日は10〜40代、病気の種類も様々な計8名の方にご参加頂きました。

開催の挨拶では私から、難病カフェを開催しようと思った理由、「おむすび」の名前の由来をお話させて頂きました。

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【法律に一文を加える取り組み】第2回 Social Action School 【イベントレポート】

29 7月 17
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こんにちは、Social Change Agent養成プログラム1期生の鎌田です。

7月2日に開催されたSocial Change Agent養成プログラムの第2回講義についてレポートさせていただきます。



今回の講師は、NPO法人しあわせなみだの代表中野宏美さんです。中野さんは「2047年までに性暴力をゼロにする」ことをミッションに活動されており、その大きな一歩として性犯罪に関する刑法改正に至りました。



中野さんの講演は、熱い想いあり!冷静な作戦あり!温かいメッセージあり!の3拍子揃った、とても勇気づけられる講演でした。ソーシャルワーカーに求められる「熱い想いと冷静な頭脳」とは中野さんのことであると思ってしまうほどです。私自身、社会福祉士として女性支援に携わっておりますが、日々感じる支援現場の疑問に背を向けず、小さなアクションから始めたいと思いました。それでは、最後までお付き合いいただけると幸いです。



 

 

1.何をどう変えたいか、言えますか?

あなたは社会福祉に関する法律で、具体的に何の法律をどのように変えたいと思いますか?

その「変えたい!」想いを、愚痴や不満でなく、「こういう風に変えたい!」と具体的に言葉にできますか?

その言葉は相手を共感させることができますか?

中野さんの講演は、問いかけからはじまりました。実際に受講生同士でお互いの想いを話し合いましたが、具体的なビジョンを描いて説明できた人は何人いたでしょうか。私自身、日頃「ここが問題だ」「こんな支援があったらいいのにな」と考えることはありますが、それを取り巻く法律や制度的枠組みの詳細を把握していないことに気づかされました。中野さんの問いは、受講者の皆さんにとって「問題の背景をわかっているか?」を再確認させられる問いだったと思います。

中野さんは「強姦罪とならない性暴力がある日本の刑法を改正すること」に焦点を当てました。

 

2.ソーシャルワークとは

中野さんにとってソーシャルワークとは「人権擁護のための社会改革」だということです。社会福祉とはもともと法律の外や狭間にいる人への人権擁護という視点ではじまっています。ソーシャルアクションを志す皆さんはこの視点を持っていると思いますが、実際はアクションする自信と勇気があと一歩必要です。「発信したら批判されるかも…」「自分の言ってることは間違っているかも…」という不安もありますが、まずやってみることから始まります。今日やらないことは明日もやらない。明日やらないことはいつまでもやらない。だからこそ、小さいアクションを今日起こすことが大事です。

 

また仲間という点では、その問題に対する知識を求める人が少なくありませんが、「同じ志」を持ち、ビジョンが共有できていることが遥かに大事です。実際に中野さんが刑法改正の運動をした際も、「同じ志」を共有する仲間と協力しています。一緒にアクションする仲間を見つけるためにも、冒頭の問いかけの答えを伝えられるようにする必要があります。

 

自分の想いを他者に伝え納得してもらうこと、これは想像以上に難しいことだと思います。私自身、アウトプットに苦手意識があるため、これは日々練習していかなければならないと感じます。

 

3.中野さんのこれまで

中野さんは大学で社会福祉士を取得した後大学院に進み、民間企業に勤めた後、社会福祉協議会や区役所で非常勤の仕事をされています。現在は非常勤で勤めつつNPO法人しあわせなみだの運営を行なっておられます。アクションするに当たりNPO一本に絞らず、別の仕事で生活の基盤を持ちながら活動をするという方法は、これからアクションする皆さんのロールモデルに成りうるかもしれません。

 

中野さんが活動をはじめるきっかけとなった出来事が大きくわけて3つあります。まず社会福祉士の実習で児童養護施設や母子生活支援施設に行き、DVや暴力の被害者が身を隠しながら生活しなければならない現実に衝撃を受けたこと。次に友人がDVの被害に遭ったとき、何もできなかった自分に腹がたったこと。そして、湯浅誠氏や駒崎弘樹氏のような社会企業家の活躍が目立つようになり、自分もできることをしたいと思ったこと。これらが中野さんの身の回りで起こり、社会の課題と自分の身近な課題が重なったことで一歩踏み出さなければいけないと感じたそうです。

 

4.福祉と性暴力

では、中野さんが性暴力を福祉の枠組みで捉えるのは何故でしょうか。中野さんは、性暴力と福祉は非常に密接な関わりがあるのだと言います。福祉の利用者の中には性暴力経験者が潜在化しており、その方の主課題の背景に性暴力があることが多々あります。例えば、不登校になった背景に電車での痴漢被害があった・働けなくなり生活保護を受けている人の背景に夫からのDV被害があった、などです。また、もしあなたが性暴力を受け助けが必要になった場合、あなたを保護し支援するのは福祉なのです。性暴力の支援には警察・病院・保健所・司法・学校・市区役所・福祉施設など、いろいろな機関の協力・連携が必要です。これはソーシャルワークですよね。しかし現状、性暴力は「刑法=犯罪」の見方が支配的で、支援にあるべきソーシャルワークの視点が欠けています。支援機関同士で連携がなく、性暴力の詳細を何回も説明しなければならなかったり、たらいまわしのようにいろいろな機関に行かされたり、自分に必要な支援を受けられなかったりしたら、嫌ですよね?だからこそ、性暴力を福祉の視点で取り組む必要があるのです。

 

NPO法人しあわせなみだは2009年に活動開始、2011年にNPO法人格を取得した団体です。「2047年までに性暴力(=本人が望まなかった性的出来事)をゼロにする」をビジョンに掲げています。柱となる事業として1)Cheering Tears:性暴力等に遭った方を応援する事業 2)Beautiful Tears:美容の力を利用したエンパワメント 3)Revolutionary Tears:社会への啓発や情報提供 の3つを運営しています。Cheering Tearsの事業の1つ、サイレント・ティアーはインターネットで性暴力関連の言葉を検索すると支援機関の相談窓口へつながる広告を出すものですが、これはSocial Change Agencyの過去の講演会で生まれたアイディアだそうです。一つひとつの縁が活動を生み出していることがよくわかります。事業の詳細については、このレポートでは割愛しますので、NPO法人しあわせなみだのホームページ(http://shiawasenamida.org/)をご覧ください。

 

5.ソーシャルアクションの事例~刑法性犯罪改正に向けた活動~

中野さんのソーシャルアクションは刑法改正でしたが、法律改正に焦点を当てたソーシャルアクションは、どのような変化をもたらすことができるでしょうか。法律を変えることは、日本全体に変化を起こすことができます。例えば地域でアクションをした場合、その地域にいる人には大きな影響を与えられますが、それ以外の地域にいる人には影響力が非常に弱くなります。性暴力に関する意識の変化や支援拡大を日本全体として底上げするためは刑法改正が必要でした。

 

ソーシャルアクションの具体的な方法の前に、刑法性犯罪改正の概要についてお伝えします。6月16日の参議院本会議で改正案が可決、6月23日公布、7月13日施行されました。100年以上ほぼ変わっていない刑法性犯罪は、今回の改正でこのように変わりました。

 (1)名称:強姦罪→強制性交等罪に変更

 (2)強姦罪の範囲拡大:女性→女性以外 等

 (3)強姦罪等の刑期引き上げ:3年以上→5年以上 等

 (4)監護権に乗じた性犯罪の創設:監護権を持つ親や施設職員による性犯罪

 (5)量刑改定:「強盗してから強姦」と「強姦してから強盗」の量刑7年以上に統一

 (6)非親告罪化:告訴がなくても(被害者が訴えなくても)起訴できる

 

特に(4)監護権に乗じた性犯罪の創設と(6)非親告罪化の2点によって性虐待を受けた子供や被害を訴えることができない被害者の存在が可視化されると期待されます。

ただし、暴行脅迫要件は現状維持されており、加害者からの暴行脅迫があったことが立証できなければ、これまで同様無罪となるなど、課題はまだ残されています

 

今回の改正では、上記の改正同様、大きな意味を持つ一文が附則に追加されています。それは「状況を踏まえて3年後、今回の改正の見直しを行なう」という内容の一文です。中野さんは、性暴力の実態に沿った見直しをするために、この一文追加は非常に意味のある一文だと述べています。

 

6.ソーシャルアクションのプロセス

さて、刑法性犯罪改正に向けたアクションはどのように行なわれたのでしょうか。時の松島法務大臣が性犯罪厳罰化について述べたことから、刑法性犯罪が注目されるようになりました。そのタイミングを見逃さず、NPO法人しあわせなみだ他3団体が「刑法性犯罪を変えよう!プロジェクト」(https://www.believe-watashi.com/)を立ち上げ、運動を始めました。具体的には、大学でのグループワーク(性暴力や性行為の「同意」について)、街頭アンケート、ネットでの署名、国会議員へのロビイング、ツイッタ―での拡散などを行なっています。言葉にすると堅苦しく感じますが、一つひとつの活動はとてもユニークで、読みたくなる・学びたくなる・伝えたくなるような内容です。

 

例えばアンケート。「あなたが性暴力だと思うものはどれですか?」と題し、6つのゆるかわいい漫画が描かれています。ある絵では、「ヤらせないと殺す!」と包丁を突き付ける人と、「う…」と怯える人。この後性行為に至った場合、これは強姦罪に当たるでしょうか?当たらないでしょうか?答えは、日本では「おどされたことを証明できなければ、強姦罪にならない」です。このようにゆるかわいい絵を使うこと・考えさせる形にすることで、ただのアンケートだけでなく、日本の刑法のおかしい点を伝えることができるのです。

(このゆるかわいい絵は必見ですので、是非団体のホームページをご覧ください!)


今回のソーシャルアクションで非常に効果的だと感じたのが、ネットによる署名運動です。街頭署名に比べ人員と時間を大幅に減らしつつ、日本全国の人たちに訴えかけることができる手法です。インターネットにアクセスできない方に向けたアウトリーチは課題だと思いますが、今回のネット署名では3万を超える署名を法務大臣に提出、最終的には5万を超える賛同を得られたそうです。

 

こうして4団体で協力しながらアンケートや署名を集め、国会議員へのロビイングを続けました。法務委員会に所属している議員を芋づる式に辿り、ついに法務大臣に辿りつき、大臣に直接刑法性犯罪改正を訴えるに至りました。こうしたプロセスを経て100年以上ぶりの刑法性犯罪改正がなされたのです。

7.あなたが実現したい社会はあなたが創る


ここで、私自身の話を少しだけ。冒頭で述べましたように、私は社会福祉士として女性支援の現場で仕事をしています。中野さんの問いかけに対し私は「法律はDV防止法?DV被害者の生活保障のしくみがほしい」と思いました。DV被害者で加害者からの追跡が激しい場合、警察や福祉の保護のもと自宅を離れ、避難することになります。家族や友人との接触も難しくなりますし、子どもは転校になることが多いです。協議離婚できないことが多く調停や裁判離婚のための準備が始まります。被害者は身体的にも精神的にも傷つき、仕事をする意欲があっても、現実的に外に出て仕事を続ける状態ではなくなります。

 

そんな中でも、新しい生活を始めなければなりません。衣類や食べ物、生活用品を買い貯金は少なくなっていきます。ですので、そういった状況の方々への金銭的支援もしくはフレキシブルな就労支援が必要ではないでしょうか。もちろん、同じ状況でも親族から援助を受けられたり働く力があったりして金銭面が問題にならない方もいます。私の勉強不足で、このような取り組みが既にあるのかもしれません。ですが今回中野さんの講演を聞き、小さいアクションをすることの大切さを知った者として、この場を借りて私の問題意識を皆さんと共有しようと思います。

 

第3回Social Action School 単発参加受付中です!

 

 

 

 

 

【イベントレポート】第一回 Social Action School

06 7月 17
SCAスタッフ
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6月11日に開始したSocial Change Agent 養成プログラム
Social Action Schoolの1回目レポートは、選抜一期生の佐藤さんが担当します。



みなさん、はじめまして。1期生の佐藤です。
6月11日に行われたSocial Action Schoolの報告レポートを担当させていただきます。

講師は、SCAの代表である横山北斗さんです。
当日は、以下の3部構成で話がすすみました。

 


1.ソーシャルワークとは何か

 ソーシャルワークとは何かについて、「価値、倫理、知識・技術」をもとに説明。価値については、国際定義(グローバル定義)の前文を基に概説する。倫理については、日米の倫理綱領をもとに説明した。知識・技術については各援助技術・理論・モデルアプローチ、それらを統合したジェネラリストソーシャルワークを基に説明している。

 

2.日米のソーシャルワーク養成の比較からみるソーシャルアクションの位置づけ

日米の社会福祉士の養成過程の比較とソーシャルアクションの定義・位置づけが明確化されていないことを指摘。そして、比較から分かった課題を整理する。

 

3.ソーシャルアクションを為すことを助ける理論的枠組み(仮説)

講師の現場の経験からソーシャルアクション(特にマクロ実践)を効果的に行うための方法を説明する。実践プロセスを構造的に説明し、アセスメントの範囲を広げることの重要性を訴える。その上で、介入の焦点を定めて、計画的に適切な技術(認知的技術、相互作用の技術、直接援助活動、間接援助活動)を用いて、役割を担っていくソーシャルアクションのプロセスを説明する。ヒントは目の前のクライエントが持っている。

 

 

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今回は初回の講義ということもあり、本養成プログラムが開始された背景について簡単に説明がありました、福祉現場のソーシャルワーカーは、現場から社会へ働きかけていく機能(ソーシャルアクション)が弱く、そこに非常に課題意識を持っています。しかし、日本のソーシャルワーカーの養成課程(大学や専門学校)で、ソーシャルアクションを学べる場がほぼ存在しない。そんな状況の中で何かしていきたいと思い、本プログラムが開始されました。

 

実際に私も、現場で感じた課題を社会へ働きかけていきたい(ソーシャルアクションを起こしたい)と思ったことはあります。ただ、「具体的にどうやって動いていいのかがわからない」「知識も技術もないから分からない事だらけで無理な願いだと諦めてしまう」そんなことを思いながら、周りに流されて「仕方ないね」で片づけてしまうことがあります。けど、その「仕方ないね」で片づけしまいたくないから、今回のプログラム参加した経緯があります。

 

その中で、話の構成3部目ではソーシャルアクションの実践プロセスを構造的に説明されることがありました。この内容がとても印象に残っており、今後の講義にも大切な視点として活きてくる内容なため、今回はこの3部目を中心にレポートしていきたいと思います。一応、1部目と2部目をざっくりと説明すると、1部目では、そもそもソーシャルワークってなんなのか、目指すものや、倫理的に決められた約束事、扱う範囲がとても広いことなどについて概説されていました。2部目では、アメリカと日本のソーシャルワーカーの養成過程を比較して、現状でソーシャルアクションがどんな位置づけになっているのかを説明されていました。

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そして、3部目では実際にソーシャルアクションってどんな風に進めていったらいいのかを、講師の理論的な枠組み(ピンカスとミナハンのシステムモデル?)を用いて説明されます。1部の話でも触れたように、ソーシャルワーカーとは国際定義に記された価値を社会に提供できるような任務(ソーシャルワークを行う任務)を持っています。しかし、2部の話で、主にマクロ実践におけるソーシャルワークを行うことが難しい状況にあります。そのため、メゾ・マクロ実践に関わる知識を有し、方法・技術を「必要な時にいつでもだせるようにしておく状態」が大事です。

 

メゾ・マクロ実践に関わる知識を有し、方法・技術を必要な時にいつでもだせるようにしておく状態になるためにはどうしたらいいでしょうか。講師はここで、「アセスメントの範囲を広げて、より広い介入の焦点を仮説として持っておくこと」を勧めています。そうすることで、日々の実践を可能な限りメゾ・マクロ側に寄せていける可能性が広がります

 

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例えば、講義の中で、リストラによって職を失い、住居もなく、親からも縁を切られ、所持金も底をついて路頭に迷う方(Aさん)の事例について考える時間がありました。その人の事例を通して、他にも同じ境遇立たされている人が地域に住んでいるかもしれない。同じ地域に限らず、社会全体に同じ課題や原因があるかもしれない。また、今後の同じような境遇に立たされる危険性のある人だっているかもしれない。そうやって、たった一人のアセスメントから感じたことを、地域、全国、場合によっては世界へと視野を広げていくことで、日々の実践を可能な限りメゾ・マクロ側に寄せていくことができます。

 

また、そうやってアセスメントの範囲を広げていくには、当事者の協力が必要不可欠です。実際に体験した人の語りや経緯があって、「同じ課題を繰り返さないためにはどうすればいいか」といった思考で考えることができます。

 

このようにして、ソーシャルアクションを具体的に起こすにあたって、まずアセスメントの範囲を広げることの重要性を講師は言われています。広い範囲でアセスメントを行い、変化への努力が向けられる焦点または対象を定めていきます。この焦点または対象のことを「ターゲットシステム」と言います。アセスメントして、「ここが問題の原因なんじゃないか」という仮説をもとに導き出された、介入の焦点です。例えば、先ほどの事例の中で、Aさんがネットカフェで暮らすことがありました。そこでは、Aさんと同じような職、住居の無い人が集まっていることがあり、ここが「ターゲットシステム」に成りえるのではないかと思っています。

 

例えば、Aさんのような境遇の人がネットカフェにどれくらい寝泊まりしているのかを、地域の職能団体からお願いして、ネットカフェの会社の協力のもと調査してみて、どれくらい寝ているのかのデータをとって、有効なデータが取れたらネットカフェのトイレに社会福祉サービスのリーフレットを置けるかもしれない。

 

そうやって、アセスメントの範囲を広げて、誰がどのような問題を抱えているのか、原因はなんなのかを整理して(クライエントシステムの把握)、ネットカフェに同じような境遇の人が多く住んでいることがわかったら、そこを原因の仮説として立てる。

 

仮説として立てた原因のどこに介入するのか(ネットカフェのトイレに福祉サービスのリーフレット置くなど)、介入の焦点(ターゲットシステム)を定める。

 

そのために、誰といつまでにどのような方法で行うのかを考える。先ほどの事例でいうなら、リーフレットを置くことを提案したソーシャルワーカー(チェンジエージェントシステム)や、職能団体、ネットカフェの会社(アクションシステム)がそれにあたるかもしれない。

 

そのようにして、1回目の講義を通して、具体的なソーシャルアクションの実践プロセスを構造的に学ぶことができました。この内容は、2回目以降のゲスト講師のソーシャルアクション実践を構造的に捉えることに役立つ思うため、今後に活かせるようにしていきたいです。

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単発参加受付中!! Social Action School

【イベントレポート】12/4、SOIF(The Social Investing farm)で代表の横山が登壇しました。

19 12月 16
SCAスタッフ
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去る12/4、SOIF(The Social Investing farm)で代表の横山がお話をさせていただきました。

SOIFさんは、参加者にはさまざまな団体が対峙する社会課題を知る機会と寄付体験を提供し、団体には寄付を通した金銭的サポートと、多様な方々とのネットワークを提供するという、集う方すべてに価値提供をしています。


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以下、当日参加された方々からいただいた声を一部紹介いたします。

ご参加、ご寄付をいただきどうもありがとうございました!!

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