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【ご報告】『SCAの今後10年の事業方向性について』横山

25 10月 , 2015,
SCAスタッフ
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いつもSCAをご支援いただき、どうもありがとうございます。
代表理事の横山北斗です。

本日は、SCAの今後の事業の方向性について、皆さんにお伝えをさせていただきます。
少し長くなりますが、お付き合いいただけますと幸いです。

任意団体として2013年8月に立ち上がったSCAは、過去2年の間、ソーシャルワーカー同士のネットワークづくりや研修、情報発信を行い、450名の福祉を学ぶ学生さん・ソーシャルワーカーの方たちと出会い、メルマガの購読者も1000名を超えるまでになりました。

ですが、任意団体として立ち上げた頃からの問題意識である
「福祉業界からソーシャルアクションを起こしていく」ということについては、正直手を付けられずにいました。

「ソーシャルワーカーは、クライアント個人の問題を通して、社会の不条理さを垣間見る」
「福祉の現場から、個人の問題を社会化する回路を拓くこと、それが、ミクロからマクロへと言われるソーシャルワークの展開であり、その展開を拓く矛(ほこ)こそが、ソーシャルアクションである」

そのような問題意識がありながら、なぜSCAが、SWer同士のネットワーク作りや研修や発信を「組織化」してまでやる必要があるのか?全国、都道府県、地区レベルで数多の職能団体がある中で、研修やイベントを手弁当で自分たちの時間や自己資金を投入し続けてまでやるべきことなのか?

という疑問があったことも確かです。

そんな折、7/5に開催した「福祉ってどんな仕事?」に、難病の子どもさんをサポートする親御さんの会の代表のお母さんが参加くださいました。「なぜ、当事者団体の人が参加されたのだろう」と思い、会終了後に、その方に参加理由をお聞きしました。

その代表の方は、全国各地の同じ難病を抱える子どもさんのご家族から、日々相談を受ける中で、ご自身の力不足を感じている、と口にされ、どうしても生活上の困りごとについては、各地方の資源や細かい制度について知っているわけではないので、対応が難しく困っている、ということをお話くださいました。

そのなかで、ソーシャルワーカーという仕事を知り、「この職業は、きっと自分たちの助けになってくれるだろうと思い、イベントに参加してソーシャルワーカーの仕事について詳しく知りたいと思った」という言葉を発せられました。

その言葉を聞いた時、私たちは、決して大げさではなく、この2年間を恥じました。
「お前たちは、誰の方を向いているのか?」という問いに、頭を強く殴られた気がしました。

社会保障等の制度上に位置づかない、自由にソーシャルワークができる環境であるにも関わらず、常に私たちSCAの主語は「ソーシャルワーカー」でした。

その次の日、わたしたちは、話し合いをもちました。
そして、まずは、さまざまな当事者団体に自分たちで出向いていき、話を聞くことに決めました。

7月以降、この3ヶ月の間、当事者団体の方達に話を聞き、今後10年間、SCAが組織として何を為すべきかということについて、コアメンバーで話し合いを重ねました。

ソーシャルワーカーはたしかに、現場でクライアントに一番近いところで、その人たちの声を聞くことができるところにいます。ですが、当然、「支援の現場」の外にも、つまりは、社会には、さまざまな困りごとをかかえている人たちがいます。
その人たちの声を聞くために、自分たちが足をつかっていくこと。それが、まずはじめに、私たちSCAが為すべきことだったのです。

この3ヶ月間、当事者団体の方たちにお会いする中で、私たちに対する厳しい言葉をいただくこともありました。それは、「ソーシャルワーカーは、自分たちのことをわかってはくれない。本当のニーズを汲み取ってもらえない」というものです。
それは、もちろん全てが本意ではなく、「支援する・支援される」という場の外であるからこそ、口にしてもらうことのできた対等な言葉、でした。

過去出会ってきた問題意識を有するソーシャルワーカーの方たち、そして、さまざまな困りごとを有している当事者団体の方たちと言葉を交わす中で、制度に位置付かない場面でソーシャルワークを展開できるSCAだからこそ、支援する・されるの場で奮闘されているソーシャルワーカーのみなさんとのネットワークを活かし、組織の外で、当事者の方々と共にパートナーとして協働する場をつくることができるのではないか、という思いを抱くに至りました。

『当事者の声こそが、今よりも社会をよくしていくために必要な「変革の種」である』
恥ずかしながら、そのことに気がづくまでに2年間も費やしてしまいました。

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今後、わたしたちは、「当事者・支援者協働のソーシャルアクションプラットフォームをつくる」をミッションとして、
事業を行っていきます。現時点で数カ所の当事者団体の方々と具体的な話し合いの場やアクションの設計に入っています。
11月28日には、ケアラーアクションネットワークさんと協働でワークショップを行います。これは、障がい者やその家族の多様な思いや背景を社会福祉従事者にこそ知ってほしい、という声をもとに協働に至ったものです。

今後2年間は、現場の方向けのイベントや研修と並行し、実際に当事者団体とSCA協働のソーシャルアクション事例をつくること、かつ、すでに行われている(た)ソーシャルアクション事例を収集しデータベースをつくり、大学の先生方にも関わってもらい、ソーシャルアクション・プロセスモデルを構築します。過去、日本国内において、ソーシャルアクションのプロセスを定義し、そのモデルを大掛かりに研究したものはありません。それゆえ、私たちが手をつける必要があると考えます。

また、当事者団体、支援団体(NPO等)、支援者(ソーシャルワーカー等)による「ソーシャルアクションネットワーク」の仕組みづくりについても検討、構築していく予定です。
3年後以降は、上記をもとに、ソーシャルアクションの手引きを作成、研修化し、学生さんや現場の方に向けて、ソーシャルアクションに特化した研修を開催します。
研修受講者の方々の一部に、実際に当事者団体との協働アクションに関わってもらえるよう、当事者団体と研修受講者間のマッチングやコーディネートを行っていく予定です。

社会福祉業界の周縁に身を置く非営利組織として、当事者団体の人たち、業界の外の組織や人々と社会福祉業界をつなぐ、小さな「窓」になれれば、とも思っています。現にSCAのコアメンバーの2名は、この2年の間で出会った、社会福祉業界以外の人間です。
 
本年内に、社会学系のWEBメディア「シノドス」発のメールマガジン「困ってるズ」との協働もスタート予定です。
多くの賛同者や関係者を巻き込み、より多様で様々な方法論を織り込んだ、ソーシャルアクションのプロセスを生み出していきたいと考えています。
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わたしたちは、Social Change Agencyという組織をつくることで、社会に旗を立てました。
「旗を立てること」とは、「社会に問いを立てること」でもあります。

聞こえのいい言葉に逃げず、常に社会に対して問いを立て続けることこそが、今後も引き続き、私たちに課せられることだと思っています。
私たちは20代、30代の人間が中心の組織であり、今後50年、60年後の日本の未来を見届けることができる人間たちです。
それは、言い換えれば、私たちには、「自分たちが口にした言葉に対する責任」を、今後、背負い続けていくことになるということだと考えます。それが、社会に問いを立てた者たちの責務である、と私たちは思っています。

最後にみなさんにお願いです。
SCAの事業は現時点で、介護報酬や医療報酬、税金に基づかない事業のため、
正直なところ、稼働資金がなく、ほぼ全て私費で賄っている状態です。

ほか人材面や活動場所(オフィス)等のサポートも必要としています。
ご負担にならない範囲で一緒に活動を支え、進めていただけると嬉しく思います。

長くなりましたが。最後までお読みくださり、どうもありがとうございました。
今後とも応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

NPO法人 Social Change Agency 代表理事 横山北斗

 

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