1. 福祉ってどんな仕事? ソーシャルワーカーの 可能性(障害者支援) 精神障害者グループホーム 勤務 社会福祉士 柴原 崇 (ふくしば)
2. 「障害」って何だろう? 「障害者福祉」って 何だろう? 「障害者」って何だろう?
3. ぼんやり自己紹介 小・中時代はJRC委員会や知的障害のある子どもたちとの 旅行ボランティアなどに参加、福祉にぼんやり目覚める 高校1年生の時点ですでに福祉系大学への進学を希望し、 進路指導の先生から「よくわからんが、まあがんばれ」と ぼんやり励まされる 大学では福祉環境学を専攻、介護福祉士取得コースに進む も実習に行けなくなり一時卒業危ぶまれるも、私ひとりの ために臨時教授会が開かれ、何とか転コースを許される 卒業後は、民間デイサービスの雇われ所長、在宅介護支援 センターの相談員等を経て、現在は精神障害者グループ ホームにて世話人として勤務中 福祉職PR bot「TEAM*Fuku-Shigo(チーム・フクシゴ)」
4. 障害のあるひとを支えるしくみ 障害年金 障害者手帳 ・障害の程度に 応じて支給 …公営住宅の優先入居 …各種料金の割引 …税の控除 etc. その他 ・特別支援教育 ・まちづくり ・共用品開発 ・市民活動参加 ・ICT活用 etc… (都道府県) (市区町村)障害福祉サービス 障害者総合支援法 ・自立支援医療・介護給付 ・地域支援事業 市民全体の理解・協力があって初めて成り立つ 直 接影 響 し な い ・訓練等給付
5. 障害者総合支援法と 精神障害者グループホームについて(1) それまで身体・知的・精神など障害種別ごとに バラバラだった障害者福祉施策を一本化した 「障害者総合支援法」に定められた障害福祉 サービス事業(正式には「共同生活援助」) 精神障害者グループホームは、精神科病院に 入院・通院しているひとが地域で独り立ちする 前に、自立生活の練習の場として相談支援や 生活支援等と合わせて住まいを提供する 入居系サービス
6. 障害者総合支援法と 精神障害者グループホームについて(2) 私が勤めているグループホームの概要 ・運営母体はNPO法人 ・入居定員37名、20~80代、男女半々くらい ・主たる精神疾患は「統合失調症」が多い ・事務所から自転車で5~15分ほどの範囲内に 計10ヶ所の賃貸アパートで空き居室を借り上げ ほぼひとり暮らしの延長のような形で生活 (集団生活というよりケア付きの住まい) ・支援にあたる職員は必要に応じて居室や 通所先へ訪問するパターンが多い
7. 障害者総合支援法と 精神障害者グループホームについて(3) 基本的に入居から3年の間に地域への移行 を目指すが、全員がそれを達成できるわけ ではなく3年以上在籍している人も多い ちなみに昨年は入居者の約半数が退居後に 一般アパート等への転居を実現し、地域で の生活へ移行している 精神障害があっても適切な医療と生活支援 環境さえ整っていれば、多くのひとは自立 生活が可能
8. 障害者総合支援法と 精神障害者グループホームについて(4) スタッフの主な業務は、個別支援計画の作成、 日中活動の場への参加調整、通院・入退院時 支援、服薬支援、金銭管理支援、家事支援、 各種手続き支援(福祉サービス、生活保護、 障害者手帳、年金・手当等)etc… 現時点において身体的な介護はほぼないが、 入居者の高齢化も進んでおり、今後は担って いくことになるかも?
9. グループホームでの仕事や 障害者支援という仕事のやりがい(1) ひとの生活場面にいちばん近いところで、 そのひとの生活を支えるお手伝いができる →クライアントの苦悩・成長や自らの実践が 近いところで見えるので、モチベーションの 維持につながりやすい →社会での「生きづらさ」「暮らしにくさ」を 生活視点でいち早く見つけ、その改善への 手だてを講じられる
10. グループホームでの仕事や 障害者支援という仕事のやりがい(2) 特に精神保健福祉分野では、障害者福祉サービスや 医療だけでなく、高齢者介護、DV被害者支援、金銭 トラブル対応、成年後見制度利用、刑余者支援等、 幅広い支援体制や知識・技術が求められる →ジェネラリストとしての力量が問われる ≒ソーシャルワーカーとしての最大の醍醐味! (あくまで個人的にですが・・・)
11. 障害者支援に関するトレンドと ソーシャルワーカーの可能性(1) ユニークなストレングス アセスメントのプロ 教育・司法・ 医療・女性等 他分野の 支援者 障害者 研究家 実践家 ・ 起業家 ・ 技術者 ・ 家族 市民 行政 コミュ ニティ ・
12. 障害者支援に関するトレンドと ソーシャルワーカーの可能性(2) アート:「表現の場づくり」と「リハビリからの脱却」 権利擁護:成年後見、行政参加、司法保障、教育保障 スポーツ:普及・交流、コミュニケーション術への応用 デザイン/テクノロジー:共生技術と利用マッチング 社会起業/雇用開発:新規ビジネス・アクションモデルの模索
13. まとめのようなもの 地道で緻密なケースワーク(ミクロ)と並行して、 社会・コミュニティへのアプローチ(メゾ・マクロ)を より強化していく →ソーシャルワークの両輪をしっかり回す 世の中とひとの考え方はめまぐるしく変わる →常に現状を問いなおし、できることを探る Nothing About Us Without Us! (私たち抜きで私たちのことを決めないで!) →誰のためなのか・誰も置き去りにしない
14. ソーシャルワーカーは 世界でいちばん面白くて やりがいのある職業 です。
15. ご清聴 あなたもそんな面白い世界に ぜひ飛び込んできてくださいね。 近いうちにここにいるみなさんと いっしょにお仕事できますように! ありがとう ございました!
16. 障害者にかかわる主な法体系 障 害 者 基 本 法 障 害 者 権 利 条 約 障害者差別解消法障害者虐待防止法 障害者雇用促進法バリアフリー新法 障 害 者 総 合 支 援 法 民法 年金法 税法 労災法 教育法 2006年 国連採択 2008年 発効 不当な差別禁止・ 合理的配慮の提供 被雇用者の2.0% 以上を障害者に 盲・ろう・養護等 特別支援学校の運営 国の障害者施策の 基本方針定める 障害者虐待禁止・ 養護者の負担軽減 建築物・交通機関 のバリアフリー化 身 体 障 害 者補 助 犬 法 身 体 障 害 者 福 祉 法 知 的 障 害 者 福 祉 法 精 神 保 健 お よ び 精 神 障 害 者 福 祉 法 発 達 障 害 者 支 援 法 戦 傷 病 者 特 別 援 護 法 ・ 原 爆 被 爆 者 援 護 法 難 病 法 児 童 福 祉 法 盲導犬・聴導犬・ 介助犬利用の 啓発、育成 難病患者の 医療費助成 障害のある 子どもの福祉は こちらでカバー 障害福祉サービス の共通のしくみ 2014年 日本批准
17. 障害者に関するデータ(1) 障害種別 身体障害者 知的障害者 精神障害者 推計人数 393.7万 74.1万 320.1万 在宅者 376.6万 62.2万 施設入所者 7.3万 11.9万 外来患者 287.8万 入院患者 32.3万 障害者手帳所持者 (複数回答) 3,863,800 621,700 567,600 手帳非所持で 自立支援給付等受給 (3障害共通) 319,900 (※平成27年度 障害者白書より・主にH.23時点での数値)
18. 障害者に関するデータ(2) 48,591 (15%) 111,116 (35%) 93,680 (30%) 26,311 (8%) 29,042 (9%) 社会保障関連費の内訳 障害福祉サービス費 9,330億円 障害児支援関連費 945億円 地域生活支援事業 462億円 社会福祉関連費の うち 31.5兆円 医療 年金 生活保護 介護 (億円) (※財務省サイトより引用)